「デザインはPCで完璧なのに、スマホで見たら崩れている」——この問題はデザイン段階でレスポンシブを意識していないことが原因です。Figmaにはレスポンシブデザインを支援する機能が複数あり、正しく使えばモバイル・タブレット・デスクトップすべてのレイアウトを一つのファイルで管理・確認できます。
このレッスンでは、Constraintsの設定からブレイクポイントごとのフレーム設計、モバイルファーストアプローチまでを体系的に習得します。
レスポンシブ設計 — 4ブレイクポイントとConstraints
現代のWebデザインでは、以下の4つのブレイクポイントが標準として広く使われています。TailwindCSSのデフォルト設定とも一致しており、エンジニアとの連携がスムーズになります。
| ブレイクポイント | 幅 | 対象デバイス | 主な変化 |
|---|---|---|---|
| デフォルト(xs) | 〜639px | スマートフォン | 1カラム、縦スタック |
| sm | 640px〜 | 大きめスマホ | 一部2カラム化 |
| md | 768px〜 | タブレット縦 | 2カラムレイアウト |
| lg | 1024px〜 | ラップトップ | サイドバー表示、3カラム |
| xl | 1280px〜 | デスクトップ | 最大幅コンテナ固定 |
💡 すべてのブレイクポイントをデザインする必要はありません。案件の要件に応じて「モバイル(375px)とデスクトップ(1440px)の2パターン」から始めて、必要なブレイクポイントを追加していくのが効率的です。
各ブレイクポイントに対応するフレームを作成します。
推奨フレームサイズ:
フレーム作成のコツ:
Ctrl/Cmd + D で複製し、フレーム幅を768pxに変更Constraintsは、親フレームのサイズが変わったときに子要素がどう振る舞うかを定義する設定です。Auto Layoutを使わない場面や、Auto Layout内に固定位置の要素を配置する場面で重要になります。
| 設定値 | 動作 | 典型的な用途 |
|---|---|---|
| Left | 左端からの距離を固定 | 通常のテキスト・アイコン |
| Right | 右端からの距離を固定 | 「閉じる」ボタン(右上) |
| Left and Right | 両端からの距離を固定(伸縮) | 入力欄・コンテンツエリア |
| Center | 水平中央に固定 | ロゴ・ヒーロータイトル |
| Scale | 比率でリサイズ | 画像・イラスト |
| 設定値 | 動作 | 典型的な用途 |
|---|---|---|
| Top | 上端からの距離を固定 | 通常の要素 |
| Bottom | 下端からの距離を固定 | 固定フッター・FABボタン |
| Top and Bottom | 両端から距離固定(伸縮) | 背景・サイドバー |
| Center | 垂直中央に固定 | モーダルの中央寄せコンテンツ |
| Scale | 比率でリサイズ | ヒーロー背景画像 |
⚠️ Constraintsは親フレームのリサイズ時のみ機能します。Auto Layoutフレームの子要素のサイズ制御はHug/Fill/Fixedで行い、Constraintsは補助的な役割と理解してください。
日本国内のWebトラフィックの約60〜65%はスマートフォンからです。さらに重要な理由として、モバイルから設計することで「本当に必要な情報だけを残す」思考が鍛えられます。
モバイルファーストの原則:
| 制約 | 問題 | Figmaでの解決策 |
|---|---|---|
| 狭い幅(375px) | コンテンツが収まらない | 縦スタックレイアウト(垂直Auto Layout) |
| タッチ操作 | タップターゲットが小さい | 最小タップターゲット44×44px確保 |
| 親指届き範囲 | 上部が届きにくい | 主要操作は画面下部に配置 |
| データ通信量 | 重い画像・アニメーション | 軽量代替案をデザインに反映 |
ナビゲーションはレスポンシブデザインで最も変化が大きいコンポーネントです。
モバイル(375px〜767px):
タブレット(768px〜1023px):
デスクトップ(1024px〜):
ナビゲーションバーをコンポーネント化し、「Size」プロパティで mobile / tablet / desktop の3バリアントを作成します。フレームごとに適切なバリアントを配置することで、デザインの一貫性を保ちながら各ブレイクポイントに対応できます。
💡 Figmaのコンポーネントプロパティを使えば、バリアントを切り替えるだけでナビゲーションの表示パターンを変更できます。スタックコンポーネントをResponsive対応させる最も効率的な方法です。
FigmaのLayout Grid機能を使うと、列グリッドを可視化してデザインの整合性を保てます。
設定手順:
ブレイクポイント別推奨グリッド:
| ブレイクポイント | 列数 | ガター | マージン |
|---|---|---|---|
| モバイル(375px) | 4列 | 16px | 20px |
| タブレット(768px) | 8列 | 20px | 32px |
| デスクトップ(1440px) | 12列 | 24px | 80px |
要素をグリッドの列境界に揃えることで、デザインに自然な秩序が生まれます。Figmaの「Snap to grid」機能(Shift + Ctrl/Cmd + ' でグリッド表示)を使うと、要素がグリッドに自動スナップします。
レスポンシブデザインはモバイルファーストで設計し、ブレイクポイントごとにフレームを作成してレイアウトの変化を可視化することが重要です。ConstraintsとAuto LayoutのHug/Fill/Fixedを組み合わせることで、コンテナのリサイズに追従するデザインが作れます。グリッドシステムを使うと整合性の高いレイアウトが効率的に作成できます。次のレッスンではFigmaのプロトタイプ機能でインタラクションを実装します。
全問正解でこのレッスンが「完了」になり、コースの全レッスンを完了すると修了証が発行されます。解説つき・何度でも挑戦できます。
Q1.モバイル・タブレット・デスクトップの画面を作る順序として、本文が勧める進め方はどれですか?
Q2.親フレームの幅が変わっても「閉じる」ボタンを常に右上に置きたい場合、水平方向のConstraintsはどれですか?
Q3.モバイル画面での主要な操作ボタンの配置とサイズとして、本文に沿うものはどれですか?
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