デザインカンプ(静止画)だけでは伝えられない「操作感」「動き」「画面遷移の流れ」をクライアントやエンジニアに共有するために、プロトタイプは不可欠なツールです。Figmaのプロトタイプ機能は、コードを一切書かずにアプリに近い操作体験を作れる強力な機能です。
このレッスンでは、基本的なフロー作成から5種類のトリガー設定、Smart Animateを使った滑らかなアニメーション、そしてクライアントへの共有方法まで完全解説します。
プロトタイプ — フロー・トリガー・Smart Animate
Figmaの右パネル上部には「Design」「Prototype」の2つのタブがあります(以前の「Inspect」タブの機能はDev Modeに移っています)。プロトタイプの設定はすべて「Prototype」タブで行います。
Prototypeタブで設定できること:
💡 プロトタイプを作るために新しいフレームを作る必要はありません。デザインで作成済みのフレームをそのまま使います。プロトタイプはデザインの「つながり」を設定するだけです。
フローとは、プロトタイプの「出発点」から「終着点」までの一連の画面遷移の連鎖です。一つのFigmaファイルに複数のフローを作成できます。
フロー例:
手順:
⚠️ 起点を設定しないとプレビュー再生時にどの画面から始めるかFigmaが判断できません。複数のフローがある場合は、それぞれの起点を必ず設定してください。
手順:
最も一般的なトリガーです。ボタン・リンク・カードなど、クリックで画面遷移するほぼすべての要素に使います。
設定例:
マウスカーソルを重ねた際に発火するトリガーです。デスクトップ用UIのツールチップ・ドロップダウンメニュー・カードホバーエフェクトに使います。
⚠️ On Hoverはスマートフォンのプロトタイプでは機能しません。モバイル向けデザインでは使用しないようにしてください。モバイルでの同様の体験はOn Clickで代替します。
指定した時間(ミリ秒)が経過した後に自動で遷移するトリガーです。
主な用途:
設定方法: トリガーを「After Delay」に設定後、遅延時間(ms)を入力します。
ドラッグ操作でアニメーションが進行するトリガーです。スワイプUIの実装に使います。
主な用途:
特定のキーを押したときに発火するトリガーです。キーボード操作対応のアクセシビリティデモや、ゲームのプロトタイプで使います。
| キー | 用途 |
|---|---|
| Enter | フォーム送信・確定操作 |
| Escape | モーダル閉じる |
| 矢印キー | スライド移動・リスト選択 |
| Tab | フォーカス移動 |
接続を作成した後、トリガー設定パネルでアニメーションの種類を選択します。
| アニメーション | 効果 | 最適な用途 |
|---|---|---|
| Instant | アニメーションなし即時切替 | 高速プロトタイプ確認 |
| Dissolve | クロスフェード | ページ遷移・オーバーレイ |
| Smart Animate | 同名レイヤーを自動補間 | マイクロインタラクション |
| Move In | 画面外からスライドイン | ドロワー・サイドパネル |
| Move Out | 画面外へスライドアウト | 戻る遷移 |
| Push | 押し出しスライド | タブ・ページネーション |
| Slide In | フェードしながらスライド | モーダル・通知 |
アニメーションの加速・減速カーブを設定します。自然に見えるイージングを選ぶと、プロらしい動きになります。
| イージング | 特徴 | 推奨場面 |
|---|---|---|
| Ease Out | 速く始まり、ゆっくり終わる | 画面への要素登場 |
| Ease In | ゆっくり始まり、速く終わる | 画面からの要素退場 |
| Ease In Out | ゆっくり始まり、ゆっくり終わる | 要素の移動・変形 |
| Linear | 一定速度 | ローディング・ループ系 |
| Spring | 弾むような動き | 強調・フィードバック |
推奨デュレーション(所要時間):
Smart Animateは、Figmaのプロトタイプ機能の中で最も強力なアニメーション機能です。2つのフレーム間で同じ名前のレイヤーを自動的に検出し、位置・サイズ・色・角丸・不透明度などのプロパティを滑らかに補間(トゥイーン)します。
コードでいえば、CSSのtransitionやWeb Animations APIを自動生成するようなものです。
| プロパティ | 補間内容 |
|---|---|
| 位置 (X, Y) | 左から右へ移動するアニメーション |
| サイズ (W, H) | 小さいボタンが大きく展開する |
| 角丸 (Corner Radius) | 四角が丸に変化 |
| 不透明度 (Opacity) | フェードイン・フェードアウト |
| 色 (Fill Color) | ボタンの色が変化 |
| 回転 (Rotation) | アイコンが回転する |
| Blur | フォーカスイン・アウト |
ステップ1: 2つのフレームを準備
Ctrl/Cmd + D で複製して「After」フレームを作成ステップ2: レイヤー名を一致させる
ステップ3: 接続を作成してSmart Animateを設定
💡 Smart Animateは「フレーム同士の差分」を補間します。コンポーネントのバリアント切り替えにも適用でき、ボタンのHoverエフェクトをSmart Animateで実現するのが定番テクニックです。
現在の画面の上に別のフレームを重ねて表示するプロトタイプの設定です。モーダルダイアログ・ドロワーメニュー・Toast通知・ツールチップの実装に使います。
設定手順:
モーダルの設定例:
⚠️ 共有リンクを受け取った人は、Figmaアカウントなしでブラウザ上でプロトタイプを操作できます。ただし、デザインファイルの編集はできないので、閲覧専用として安全に共有できます。
プロトタイプ共有後、閲覧者はプロトタイプ上に直接コメントを残せます。
デザイナーはFigmaのコメントパネルで確認・返信・解決(Resolve)できます。メールやSlackでのフィードバックのやりとりが不要になり、議論の文脈がデザインファイルに集約されます。
Smart Animateを使ったカード展開インタラクションを作成します。
仕様:
ステップ1: Beforeフレームを作成
F でフレーム作成(320 × 80px)ステップ2: Afterフレームを作成
ステップ3: 接続を設定
Figmaのプロトタイプ機能を使えば、コードを書かずにリアルなインタラクションをデザインできます。On Click・On Hover・After Delay・On Drag・Keyの5種のトリガーを使いこなし、Smart Animateで滑らかなアニメーションを実現することで、クライアントやエンジニアに動作イメージを正確に伝えられます。共有リンクでアカウントなしに閲覧・コメントができるため、フィードバックのやりとりが大幅に効率化されます。
全問正解でこのレッスンが「完了」になり、コースの全レッスンを完了すると修了証が発行されます。解説つき・何度でも挑戦できます。
Q1.Smart Animateを設定したのに、カードのタイトルが滑らかに動かず瞬時に切り替わります。まず確認すべき点はどれですか?
Q2.デスクトップ版ではホバーで出していたメニューを、モバイル向けプロトタイプで表示したい場合のトリガーはどれですか?
Q3.Figmaアカウントを持たないクライアントに操作感を確認してもらいたい場合、本文に沿った共有方法はどれですか?
完全無料・クレジットカード不要
Canvaデザイン実践講座
スマートフォンの普及でショート動画が最も拡散力の高いコンテンツになりました。
25分本文は無料で閲覧可
UI/UXデザイン実践講座
「UIデザイナー」と「UXデザイナー」という言葉は、今や求人票やポートフォリオで当たり前に使われています。
30分無料公開
UI/UXデザイン実践講座
「自分はユーザーのことをよく知っている」という思い込みは、UXデザイン最大の敵です。
30分本文は無料で閲覧可
UI/UXデザイン実践講座
ユーザーリサーチで収集したデータは、そのままでは設計チームが活用しにくい状態です。
30分本文は無料で閲覧可
UI/UXデザイン実践講座
優れたUIデザインは、見た目の美しさより先に「情報の構造」が決まります。
30分本文は無料で閲覧可
UI/UXデザイン実践講座
UIデザインパターンとは、頻繁に発生するデザイン上の課題に対する、実証済みの解決策の集積です。車輪を毎回発明する必要はありません。
30分本文は無料で閲覧可