「なんとなくデザインがおかしい」「プロっぽく見えない」——そんな感覚の正体の多くは、デザイン4原則のどれかが守られていないことにあります。近接・整列・反復・コントラストという4つの原則は、Robin Williamsが著書「ノンデザイナーズ・デザインブック」で体系化したもので、グラフィックデザインからUI/UXまで普遍的に適用できます。
このレッスンでは、原則の理論を学ぶだけでなく、Figmaで実際に操作しながらBefore/Afterを体感することに重点を置きます。
デザイン4原則 — Figmaでの実践ポイント
人間の脳は、近くにある要素を「関連している」と自動的に認識します。逆に、関係のない要素が近くにあると混乱します。デザインにおいて、関連する情報はグループ化し、無関係な情報は離して配置することで、情報の構造を視覚的に伝えられます。
💡 近接の原則を守ることで、文章や説明がなくても情報の関連性が直感的に伝わります。ナビゲーションの項目・フォームのラベルとフィールド・カード内の要素配置など、あらゆる場面で意識すべき原則です。
Before(近接違反):
After(近接適用):
Auto Layoutを使った近接の実現:
Shift+A でAuto Layoutを適用⚠️ 近接の罠: すべてを均等間隔に並べたくなる本能と戦ってください。均等間隔は「近接の原則の放棄」を意味します。意図的に間隔を変えることが設計です。
整列とは、ページ上のあらゆる要素を「見えない基準線」に沿って配置することです。一つひとつの要素が基準線に揃っているとき、デザイン全体に秩序が生まれ、プロフェッショナルな印象を与えます。
整列を乱す最も一般的な原因:
| 揃え方 | 適切な場面 | 避けるべき場面 |
|---|---|---|
| 左揃え | 本文・リスト・長い見出し | なし(汎用性が最高) |
| 中央揃え | ヒーローのキャッチコピー(2行以内)・カードタイトル | 長文・リスト |
| 右揃え | 数値・金額・日付 | テキストコンテンツ全般 |
| 両端揃え | 印刷物・長文 | UIデザイン全般 |
整列ツールの使い方:
💡 Figmaのスマートセレクト機能: 同じ親フレーム内の要素を複数選択すると、Tidy upで自動的に整列&等間隔配置できます。これを使いこなすだけで、手作業の整列作業が80%削減されます。
反復とは、デザイン内で同じ視覚要素(色・フォント・スタイル・形)を繰り返し使うことです。反復によってデザインに一貫性が生まれ、ユーザーは「このスタイルはこういう意味だ」と学習できるようになります。
反復が壊れると何が起きるか:
Figmaのスタイル機能は、反復の原則をシステム的に守るための最強ツールです。
Color Stylesの作成:
Primary/500)Text Stylesの作成:
Heading/H1, Body/Regular)⚠️ スタイルを後から変更すると、そのスタイルを適用しているすべての要素に自動反映されます。スタイルを使わずに個別に色やフォントを設定すると、変更のたびに全要素を手作業で更新する地獄に陥ります。
コントラストとは、2つの要素の「差異」を意図的に強調することです。見出しと本文、ボタンと背景、重要情報と補足情報——これらを明確に区別することで、視覚的な階層(hierarchy)が生まれ、ユーザーの視線を意図通りに誘導できます。
コントラストの種類:
| 種類 | 方法 | 例 |
|---|---|---|
| サイズ | 大きさの差 | 見出し64px vs 本文16px |
| 色 | 明暗・彩度の差 | 濃い文字 vs 薄い背景 |
| 太さ | フォントウェイト | Bold見出し vs Regular本文 |
| 形 | 丸 vs 角 vs 線 | 塗りボタン vs アウトラインボタン |
| 質感 | 塗り vs 透明 | カード vs 背景 |
WCAGガイドラインでは、テキストと背景の輝度コントラスト比に最低基準を設けています。
| テキスト種別 | 最低コントラスト比(AA基準) |
|---|---|
| 通常テキスト(18pt未満) | 4.5:1 |
| 大きなテキスト(18pt以上) | 3:1 |
| UIコンポーネント・グラフィック | 3:1 |
Figmaでコントラストを確認する方法:
Before(4原則違反):
After(4原則適用):
近接・整列・反復・コントラストの4原則は、「なんとなく変」を解決する具体的な処方箋です。Figmaでは整列ツール・Auto Layout・スタイル機能がこれらの原則を実現するための具体的な操作として対応しています。次のレッスンでは配色を体系的に学びます。
全問正解でこのレッスンが「完了」になり、コースの全レッスンを完了すると修了証が発行されます。解説つき・何度でも挑戦できます。
Q1.名刺の名前・役職・電話・メール・住所が等間隔に並び、情報のまとまりが分かりません。本文に沿った改善はどれですか?
Q2.複数の画面で同じブランドカラーを使っています。後の色変更に備えて本文が勧める方法はどれですか?
Q3.ログイン画面のエラーメッセージが本文と同じグレーで、気づかれにくくなっています。これはどの原則の違反ですか?
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