コンポーネント機能は、Figmaが他のツールに対して圧倒的な優位性を持つ理由の一つです。一度UIパーツを「コンポーネント」として定義すれば、何十・何百のスクリーンに配置しても、マスターを変更するだけで全箇所が一瞬で更新されます。これはエンジニアのコンポーネント(Reactなど)と同じ思想です。
このレッスンでは、コンポーネントの作成からバリアント・プロパティの設定、ネストコンポーネントまで、実務レベルのデザインシステム構築スキルを習得します。
Figmaコンポーネント — バリアント設計の全体像
Figmaのコンポーネントには2種類あります。
Ctrl/Cmd+Alt+K で作成。デザインの「定義」を持つ唯一の存在。通常は専用の「Components」ページに置く。💡 インスタンスはマスターの変更を引き継ぎながら、個別のプロパティ(テキスト内容・画像・カラー)だけを上書きできます。これがコンポーネントシステムの真の力です。
Ctrl/Cmd+Alt+K でコンポーネント化(または右クリック→Create component)Button/Primary/Default)バリアントは、同じコンポーネントの「状態違い」を一つのコンポーネントセットにまとめる機能です。ボタンを例にすると:
これらの組み合わせを個別のコンポーネントとして作ると管理が複雑になりますが、バリアントを使えば一つのセットとして整理できます。
ステップ1: 複数のコンポーネントを作成
ステップ2: バリアントセットにまとめる
ステップ3: プロパティを命名
State)Figma 2022年以降、コンポーネントプロパティ機能が追加されました。バリアントが「見た目の状態違い」を管理するのに対し、プロパティは「インスタンスのカスタマイズ可能な部分」を定義します。
主なプロパティ種類:
| プロパティ | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| Boolean | オン/オフの切り替え | アイコン表示/非表示 |
| Text | テキスト内容の変更 | ボタンラベル |
| Instance swap | 子コンポーネントの差し替え | アイコンの種類変更 |
| Variant | バリアントの選択 | State: Default/Hover |
インスタンスでは以下の要素を個別にオーバーライド(上書き)できます。
インスタンスで変更した内容をマスターに戻したい場合:
コンポーネントの連携を解除してインスタンスをフリーな要素に変換したい場合:
Ctrl/Cmd+Alt+B)⚠️ Detachは不可逆操作です。デタッチ後はマスターの変更が反映されなくなります。本当に必要な場合以外は使わないようにしてください。
コンポーネントの中に別のコンポーネントを配置することを「ネスト」と言います。例えば、ボタンコンポーネントの中にアイコンコンポーネントを入れると、アイコンの種類だけをインスタンスで切り替えられます。
ネストの典型的な構造:
Card コンポーネント
Avatar コンポーネント(ネスト)Badge コンポーネント(ネスト)Button コンポーネント(ネスト)Atomic Designはデザインシステムを5階層で構造化する方法論です。Figmaのコンポーネント機能はこの考え方と完全に一致します。
| 階層 | 内容 | Figmaでの実装 |
|---|---|---|
| Atoms(原子) | ボタン・テキスト・アイコン・インプット | 基本コンポーネント |
| Molecules(分子) | 検索バー・フォームフィールド・カード | Atomsのネスト |
| Organisms(有機体) | ヘッダー・フッター・記事一覧 | Moleculesのネスト |
| Templates | ページレイアウト | フレーム + Organisms |
| Pages | 実際のコンテンツを含む画面 | テンプレートにコンテンツ適用 |
Primary/500(#6366f1)のカラースタイルを適用コンポーネントとバリアントはFigmaが提供する最も強力な機能です。一度正しく設計すれば、何百ものスクリーンにわたる変更が一箇所の修正で完了します。プロパティ・インスタンス・ネストを組み合わせることで、柔軟性と一貫性を両立したデザインシステムが構築できます。これでFigmaマスターコースの第一章「基礎編」が完了です。次章ではプロトタイプとHandoffを学びます。
全問正解でこのレッスンが「完了」になり、コースの全レッスンを完了すると修了証が発行されます。解説つき・何度でも挑戦できます。
Q1.ボタンを多数の画面に配置済みで、全ボタンの角丸を変えたくなりました。本文に沿った方法はどれですか?
Q2.ボタンのDefault・Hover・Disabledなどの状態違いを、1つのセットとして整理する機能はどれですか?
Q3.ボタンの左アイコンを、インスタンスごとに表示・非表示で切り替えられるようにしたい場合、適したプロパティはどれですか?
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