WordPressは世界中のウェブサイトの約43%(2024年時点)で使われているCMSです。その普及率の高さゆえに、自動化された攻撃ツールの標的になりやすいという特性があります。毎日何万件ものWordPressサイトがスキャンされ、脆弱性を抱えたサイトへの攻撃が試みられています。セキュリティは「攻撃されてから考えること」ではなく、サイト構築時から組み込む必要があります。このレッスンでは、Wordfenceによるファイアウォール設定、UpdraftPlusによるバックアップ自動化、更新管理ルール、2要素認証(2FA)、ログインURL変更という5つの防御層を順に実装します。
WordPressセキュリティ — 5層防御アーキテクチャ
Wordfenceは世界で最も使われているWordPressセキュリティプラグインです。無料版でも、ファイアウォール(WAF)・マルウェアスキャン・ログイン試行制限・IPブロックの機能が利用できます。
💡 Wordfenceのスキャンは、WordPressのコアファイル・プラグイン・テーマが公式リポジトリのファイルと改ざんされていないかを比較します。スキャン結果に「Critical」や「High」の問題が表示された場合は即座に対処してください。
バックアップは「取っておけばよかった」と思う前に設定するものです。UpdraftPlusは最も信頼性の高いWordPressバックアッププラグインで、無料版でもGoogle Drive・Dropbox・Amazon S3などのクラウドストレージへの自動バックアップが可能です。
バックアップ対象として含めるべきもの:
| バックアップ対象 | 内容 | 重要度 |
|---|---|---|
| データベース | 投稿・ページ・設定・コメント | 最重要 |
| wp-content/uploads | アップロードした画像・ファイル | 重要 |
| wp-content/themes | テーマファイル(カスタマイズ含む) | 重要 |
| wp-content/plugins | プラグインファイル | 中(再インストール可) |
⚠️ バックアップはサーバー上にのみ保存する設定は危険です。サーバー自体が障害を起こした場合、バックアップも失われます。必ずGoogle DriveやDropboxなどの外部ストレージに送信するよう設定してください。
💡 バックアップの設定後、必ず一度手動でバックアップを作成し、Google Driveに実際にファイルが届いているかを確認してください。設定ミスで「バックアップを取っているつもりが取れていなかった」というケースが多くあります。
WordPressのコア・プラグイン・テーマの更新は、新機能の追加だけでなく、セキュリティ脆弱性の修正を含みます。「更新が面倒だから後回し」という判断が、サイト乗っ取りの直接原因になることがあります。
WordPressコアの更新:
プラグインの更新:
放置プラグインの削除:
⚠️ 「最終更新: 3年前」のプラグインは危険信号です。WordPressの最新バージョンと互換性がない可能性があるだけでなく、脆弱性が発見されてもパッチが当たらないリスクがあります。
2要素認証(Two-Factor Authentication / 2FA)とは、パスワードに加えてスマートフォンのアプリで生成されるワンタイムパスワードを入力することでログインを完了する仕組みです。パスワードが流出しても、2FAがあれば不正ログインを防げます。
2FAの設定完了後に表示されるバックアップコード(8〜10個の英数字コード)は、スマートフォンを紛失した際にログインするための緊急用コードです。必ずオフラインで安全な場所に保存してください。
💡 Google Authenticatorに加え、Authyというアプリは複数デバイス間でOTPを同期できるため、機種変更時のリスクが軽減されます。法人サイトの管理にはAuthyの使用を検討してください。
WordPressのデフォルトのログインURLは https://yoursite.com/wp-login.php または https://yoursite.com/wp-admin/ です。自動化された攻撃ツールはこのURLに対してパスワードの総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)を仕掛けます。ログインURLを推測困難な文字列に変更することで、こうした攻撃のほとんどを無効化できます。
my-secret-access-2024 )404 や / )設定時の注意点:
⚠️ ログインURLを変更後に忘れてしまった場合は、FTPまたはサーバーのファイルマネージャーでWPS Hide Loginプラグインフォルダを削除するとデフォルトに戻ります。Wordfenceのログインセキュリティ機能と組み合わせると、より強固な防御になります。
以下の表を使って、現在のサイトのセキュリティ実装状況を確認してください。
| 項目 | 設定状況 | 優先度 |
|---|---|---|
| HTTPS(SSL証明書)が有効 | ✓ / 未設定 | 最高 |
| WordPressコアが最新バージョン | ✓ / 未更新 | 最高 |
| Wordfenceファイアウォールが有効 | ✓ / 未設定 | 高 |
| UpdraftPlusで定期バックアップ(毎日〜週次) | ✓ / 未設定 | 高 |
| 外部ストレージへのバックアップ | ✓ / 未設定 | 高 |
| 管理者アカウントに2FA設定 | ✓ / 未設定 | 高 |
| ログインURLを変更済み | ✓ / 未設定 | 中 |
| 管理者ユーザー名が「admin」以外 | ✓ / admin | 中 |
| 未使用プラグインが削除済み | ✓ / 残存 | 中 |
| データベースプレフィックスを変更済み | ✓ / wp_ | 低 |
WordPressのセキュリティは単一の対策で完結するものではなく、Wordfence(侵入検知)・UpdraftPlus(バックアップ)・更新管理(脆弱性解消)・2FA(認証強化)・ログインURL変更(攻撃表面削減)の5層を組み合わせることで初めて堅固な防御が完成します。セキュリティを「後でやること」にせず、サイト公開前に5つすべてを設定する習慣をつけましょう。次のレッスンでは、こうして構築・保護されたサイトを実際に公開する前の最終チェックを行います。
全問正解でこのレッスンが「完了」になり、コースの全レッスンを完了すると修了証が発行されます。解説つき・何度でも挑戦できます。
Q1.使っていないプラグインを「無効化」した状態でサーバーに残しています。本文に沿う判断はどれですか。
Q2.UpdraftPlusでGoogle Driveへの自動バックアップを設定し終えました。本文が次に必ず行うよう勧めていることはどれですか。
Q3.WordPressコアの更新をつい後回しにしがちです。本文が推奨している更新方針はどれですか。
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