チラシ・ポスター・名刺——これらの印刷物は「画面で見る」デザインとは別のルールが存在します。塗り足しを知らなければ白フチが出てしまい、解像度が低ければ印刷がぼやけます。このレッスンでは、Canvaで印刷用デザインを作る際に必須の知識と、印刷会社への入稿までの全フローを学びます。
印刷物の塗り足しと安全マージン
印刷物は紙を裁断して仕上げます。裁断には最大±2mmの誤差があります。背景色や写真を仕上がりサイズぴったりで終わらせると、裁断のズレで端に白い余白が出ることがあります。これを防ぐために、デザインを仕上がりサイズより3mm大きくはみ出させる「塗り足し」が必要です。
| ゾーン | 説明 | サイズ |
|---|---|---|
| 塗り足し(Bleed) | 背景・写真をここまで伸ばす | 仕上がり+3mm(四辺) |
| 仕上がりサイズ(Trim) | 実際にカットされる線 | A4=210x297mm |
| 安全マージン(Safe) | テキスト・ロゴはここに収める | 仕上がり−3mm(内側) |
画面表示は72〜96dpiで十分ですが、印刷では目安として300〜350dpiが必要です。Canvaでは「PDF(印刷)」を選ぶと印刷向けの高解像度で書き出されます。
⚠️ 注意: ネットから拾ってきた画像は多くの場合72dpiです。低解像度の画像を印刷すると、画面では綺麗に見えてもプリントするとぼやけます。Canvaの素材ライブラリから使用するか、高解像度の素材を使いましょう。
画面はRGBカラー(光の三原色)、印刷はCMYKカラー(インクの四原色)を使います。RGBで鮮やかに見えた色がCMYKに変換すると暗くなることがあります。特に鮮やかな赤・オレンジ・蛍光系の色は注意が必要です。
💡 CanvaのCMYK出力: 「印刷用PDF」ダウンロード時に「CMYKカラー」オプションをオンにすると、CMYKで書き出されます(Canva Proの機能)。
Canvaで「カスタムサイズ」を選び、216 x 303mm(A4 + 四辺3mm塗り足し)で作成します。塗り足し込みのサイズで制作することが重要です。
レイアウトの基本構成(A4チラシ)
| 項目 | 推奨 |
|---|---|
| フォント種類 | 最大2種類(見出し用 + 本文用) |
| 色数 | 3色以内(背景・メイン・アクセント) |
| 余白 | 各辺最低10mm以上(安全マージン込み) |
| 画像 | 高解像度のみ(300dpi以上) |
ポスターはチラシより大きく、遠くから見られることを前提にします。
主要ポスターサイズ
| サイズ | 寸法 | 用途 |
|---|---|---|
| B2 | 515 x 728mm | 店舗外壁・駅構内 |
| B3 | 364 x 515mm | 店頭・イベント |
| A1 | 594 x 841mm | 大型展示 |
| A2 | 420 x 594mm | 店内掲示 |
名刺は日本標準サイズ91 x 55mm(海外標準は88.9 x 50.8mm)。塗り足し込みでは97 x 61mmで作成します。
💡 名刺デザインのコツ: 裏面を活用しましょう。表は日本語、裏は英語にすると海外取引先にも対応できます。または裏面をQRコードやサービス一覧にする「働く名刺」にする方法も効果的です。
ステップ1: 印刷会社選択 ラクスル・プリントパック・グラフィックなどのオンライン印刷サービスが低コストで便利です。
ステップ2: 仕様決定 用紙の種類(コート紙・マット紙・上質紙)、部数、片面/両面、仕上げ(PP加工・ニス)を決定します。
ステップ3: データ入稿 印刷会社のテンプレートに合わせてデータを作成し、入稿。自動チェックで問題がないか確認します。
ステップ4: 色校正(必要に応じて) 重要な案件では「色校正」(本番前の試し刷り)を依頼します。追加費用がかかりますが色のズレを事前に確認できます。
| 用紙 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| コート紙 | 光沢あり・発色鮮やか | チラシ・ポスター・カタログ |
| マット紙 | 光沢なし・落ち着いた質感 | 会社案内・名刺・高級感 |
| 上質紙 | ざらつきあり・書き込み可能 | メモ帳・書類・封筒 |
⚠️ 入稿前チェックリスト: ①塗り足し3mmあるか ②フォントがアウトライン化されているか(Canva PDFは自動処理) ③画像が高解像度か ④テキストが安全マージン内か——この4点を必ず確認しましょう。
以下のワークを実施してください。
印刷物デザインの核心は「塗り足し3mm・解像度300〜350dpi・CMYK」の3ルールです。Canvaはこれらを自動でカバーするオプションを備えており、正しい設定で出力すれば印刷会社への入稿データが作れます。チラシはヘッダー・ボディ・CTAの3ゾーン構成、名刺は裏面も活用する意識を持つことで、印刷物の効果が格段に高まります。次のレッスンでは動画制作を学びます。
全問正解でこのレッスンが「完了」になり、コースの全レッスンを完了すると修了証が発行されます。解説つき・何度でも挑戦できます。
Q1.仕上がりサイズ100×148mmのDMをCanvaで作ります。本文の塗り足しルールに沿って作成するサイズはどれですか。
Q2.背景写真を仕上がりサイズぴったりで終わらせたチラシを、そのまま入稿しようとしています。本文に沿った修正はどれですか。
Q3.画面上で鮮やかな蛍光オレンジを使ったチラシを印刷します。色味が心配な場合、本文に沿った対応はどれですか。
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