ストアを開いて最初に直面するのが「どうやってお金を受け取るか」「どうやって商品を届けるか」「消費税はどう設定するか」という3つの問いです。設定を誤ると、顧客が支払いできない・送料が正しく計算されない・税込表示が法令を満たしていないといった深刻な問題が起きます。このレッスンでは、Shopifyの決済・配送・税金の全設定項目を実務目線で解説します。日本市場向けの最適な設定パターンも具体的に紹介します。
決済・配送・税金 — Shopify設定フローマップ
設定の流れは「決済方法の選定 → 配送プロファイルの構築 → 消費税の設定」の順番が効率的です。それぞれを詳しく解説します。
Shopifyペイメントは、Shopify公式の決済サービスです。日本では現在、申請制で利用が可能な業種が定められています。利用できる場合は、外部決済サービスと比べて以下のメリットがあります。
| プラン | クレジットカード手数料 | 外部決済追加手数料 |
|---|---|---|
| Basic | 3.55% | 2.0% |
| Grow | 3.4% | 1.0% |
| Advanced | 3.25% | 0.6% |
| Shopify Plus | 要問い合わせ(※交渉による) | 0.2% |
※2026年9月時点の日本向け公式料金ページの料率です(国内カードのオンライン決済)。料率やプランは改定されることがあるため、最新の情報は公式サイトで確認してください。
Shopifyペイメントを利用すると、クレジットカード(Visa・Mastercard・AMEX・JCB)に加えてApple Pay・Google Pay・Shop Payが自動で使えるようになります。モバイルでの1タップ決済対応はカゴ落ち率を大幅に下げます。
日本では「クレジットカードを持っていない・使いたくない」という層が一定数います。コンビニ決済を追加することで購買層を広げられます。主な選択肢は以下のとおりです。
| サービス | 対応決済 | 特徴 |
|---|---|---|
| GMOペイメントゲートウェイ | コンビニ・銀行振込・ペイジー | 国内最大手、法人向け |
| PAY.JP | クレカ・コンビニ | スタートアップに人気、APIが使いやすい |
| ペイディ | 翌月払い・分割払い | 若年層のカゴ落ち防止に有効 |
| NP後払い | 後払い | B2C/B2B両対応、信用調査あり |
⚠️ 外部決済の追加手数料: Shopifyペイメント以外の決済サービスを使う場合、取引ごとにShopifyへの追加手数料(プランに応じて0.2〜2.0%)が発生します。月商が高い場合はプランアップを検討してください。
代引きは「Shopify管理画面 → 設定 → 決済 → 手動支払い方法を追加」から設定できます。ただし代引きは配送業者の手数料が別途かかり、Shopifyでは自動計算されないため、送料設定に手動で代引き手数料を上乗せするか、専用の送料を設定する必要があります。
Shopifyの配送設定は「配送プロファイル」という単位で管理します。すべての商品に適用される「一般プロファイル」と、特定商品グループ専用の「カスタムプロファイル」の2種類があります。
たとえば「通常商品は重量ベースの送料、大型商品は一律1,500円、デジタル商品は送料無料」という場合、3つのプロファイルに分けて管理します。
パターン1: 一律送料 すべての注文に同じ送料を設定します。日本国内一律550円など、シンプルで顧客に分かりやすい設定です。
パターン2: 注文金額ベース(送料無料ライン設定) 「¥5,000未満は550円、¥5,000以上は送料無料」のような設定です。送料無料ラインを設けると客単価の引き上げ効果があります。設定は「配送ゾーン → 送料を追加 → 価格に基づく料金」から行います。
パターン3: 重量ベース 商品の重量合計に応じて送料を変える設定です。実運用でよく使われますが、全商品の重量を正確に登録する必要があります。
| 配送パターン | 向いている業種 | 注意点 |
|---|---|---|
| 一律送料 | 衣料品・雑貨 | 重い商品で赤字になる場合あり |
| 金額ベース | ほぼ全業種 | 客単価向上の施策として有効 |
| 重量ベース | 食品・工業部品 | 全商品の重量登録が必須 |
| 送料無料(全品) | 高単価商品 | 商品価格に送料を含める前提 |
💡 送料無料ラインの心理効果: 送料無料ラインを「現在のカート平均金額+20%程度」に設定すると、追加購入を促しやすくなります。送料無料まであと◯円という表示はShopifyのテーマ機能やアプリで追加できます。
Shopifyには「配送業者の計算済み料金」機能があり、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便のAPIと連携してリアルタイムの送料を取得できます。ただしこの機能は利用できるプランが限られるため、料金ページで対象プランを確認してください。
日本でShopifyストアを運営する場合、消費税の設定は法令上の要件を満たす必要があります。設定場所は「設定 → 税金と関税 → 日本」です。
必須設定: 税込表示 日本の消費税法では、消費者向け価格は税込表示(総額表示)が義務です。Shopifyの設定では「すべての価格に税を含める」をONにしてください。これをOFFのままにすると、チェックアウト画面で消費税が別途加算される表示になり、顧客が混乱する原因になります。
標準税率: 10% 日本の標準消費税率は10%です。Shopifyのデフォルト設定では8%になっている場合があるため、日本の税率に変更されているか必ず確認してください。
食品(外食・酒類を除く)・新聞(週2回以上発行の定期購読)は8%の軽減税率が適用されます。Shopifyでは「商品タイプ」ごとに異なる税率を設定できます。
設定手順: 「設定 → 税金と関税 → 日本 → 税の上書き → 商品タイプを追加」から、軽減税率が適用される商品タイプを登録し、8%を設定します。
2023年10月からインボイス制度が開始されました。適格請求書発行事業者(課税事業者)の場合、Shopifyの設定にインボイス登録番号(T+13桁)を入力することで、Shopifyが発行する領収書にインボイス番号が記載されます。
設定場所: 「設定 → 税金と関税 → インボイス登録」
⚠️ 免税事業者の取り扱い: 2026年以降、免税事業者からの仕入れに係る仕入税額控除が段階的に縮小されます。BtoB取引が多い場合は税理士と相談の上、課税事業者への移行を検討してください。
以下のワークを実施してください。
決済・配送・税金はストア運営の「インフラ」です。一度正しく設定してしまえば日常の運用負荷はほぼゼロですが、誤った設定は顧客の不満・機会損失・法令違反に直結します。Shopifyペイメントを最優先に設定し、送料無料ラインで客単価を引き上げ、税込表示を必ずONにする——この3つを今すぐ確認してください。設定の見直しは10分で完了しますが、その10分が長期的な売上に大きく影響します。
全問正解でこのレッスンが「完了」になり、コースの全レッスンを完了すると修了証が発行されます。解説つき・何度でも挑戦できます。
Q1.日本の消費者向けストアの価格表示について、本文の説明に合う設定はどれですか?
Q2.通常商品と大型商品で送料体系を分けたい場合、本文に沿う設定方法はどれですか?
Q3.客単価を引き上げるために送料無料ラインを設ける場合、本文が示す金額設定の目安はどれですか?
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