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コース/Shopify ECサイト構築講座/注文処理と在庫管理
9 / 10
レッスン 9
25分

注文処理と在庫管理

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注文・在庫管理 — 注文処理フロー・在庫アラート・返品対応・フルフィルメント連携

Shopifyで商品が売れ始めると、注文処理・在庫補充・返品対応という3つのオペレーションが日常業務になります。これらを属人的な手作業で管理していると、スケールとともにミスや遅延が増加してビジネスの成長を阻む壁になります。このレッスンでは注文受付からフルフィルメント完了までの標準フロー・在庫アラートと発注点の設定・返品返金の処理手順・外部フルフィルメントサービス(3PL)との連携方法を実務レベルで解説します。

注文・在庫管理 — 処理フロー全体図注文・在庫管理 — 処理フロー全体図


注文処理フローの全体像

Shopifyの注文は「受付 → フルフィルメント → 配送 → 完了」の4段階で管理されます。各ステージで確認すべきポイントを整理します。

STEP1: 注文受付と初期確認

顧客が注文を完了すると、Shopifyは以下の処理を自動実行します。

自動処理内容
注文確認メール注文内容・合計金額をお客様に自動送信
決済処理クレジットカード承認 or 後払い審査
在庫引当て注文した商品バリアントの在庫数を自動減算
リスク分析不正注文スコア(低/中/高)を自動計算

不正注文の確認

管理画面の注文詳細に「リスク分析」セクションが表示されます。リスクが「高」と表示された注文は以下を確認してから出荷します。

  • ◆請求先住所と配送先住所が大きく異なる
  • ◆短時間に同一IPから複数注文
  • ◆高額注文でメールアドレスが使い捨てドメイン

⚠️ Shopifyの標準リスク分析はあくまで参考指標です。特に高額商品・デジタルコンテンツ・転売リスクの高い限定品は、追加の本人確認(注文確認電話・身分証確認)を検討してください。不正注文で商品を発送した場合、チャージバックが発生して商品も代金も回収できなくなります。


STEP2: フルフィルメント処理

フルフィルメントとは「注文を受けてから商品を発送するまでの一連の作業」を指します。

自社倉庫での処理手順

  1. ◆ピッキングリスト印刷: 管理画面「注文 → 一括操作 → ピッキングリストを印刷」から出力
  2. ◆商品ピッキング: ピッキングリスト順に商品を棚から取り出す
  3. ◆梱包: 商品ダメージ防止の緩衝材・納品書を同梱
  4. ◆配送ラベル発行: 配送業者のシステムや連携アプリでヤマト運輸・佐川急便・ゆうパックのラベルを印刷
  5. ◆追跡番号入力: 発送完了後に追跡番号を注文に登録(自動で発送通知メールが送信される)
  6. ◆フルフィルメント完了: 注文ステータスが「フルフィルメント済み」に変わる

Shopifyでの配送ラベル発行

Shopify Shipping(米国・カナダなど一部の国で提供)が使える国では、「管理画面 → 注文 → 注文詳細 → フルフィルメント → ラベルを作成」の手順で配送ラベルを発行でき、割引運賃が適用される場合もあります。ただし日本では現在Shopify Shippingが提供されていないため、各配送業者と直接契約し、配送業者のシステムや連携アプリでラベルを発行します。

配送業者特徴向いている商品
ヤマト運輸時間指定・信頼性が高い衣料品・雑貨全般
佐川急便大型・重量物に強い家具・家電
日本郵便ゆうパック離島・農村部への配送力食品・小物
ネコポス/クリックポスト薄型・小型に安価アクセサリー・CD

💡 1日の注文数が50件を超えてきたら、CSV一括出力→配送業者の一括取り込みシステムを活用してください。Shopifyの「注文を一括エクスポート」機能で出力したCSVをヤマトB2クラウドや佐川e-飛伝IIに読み込ませると、追跡番号の入力作業も含めて大幅に時間を削減できます。


STEP3: 在庫管理

Shopifyの在庫設定基本

管理画面「商品 → 在庫」から各商品バリアントの在庫数を管理します。

在庫管理を有効にする設定: 商品編集画面の「在庫」セクションで「在庫数を追跡する」を有効化すると、販売ごとに自動で在庫数が減算されます。在庫数が0になると商品ページに「売り切れ」が表示されます。

「在庫切れでも販売を続ける」設定: 受注生産・入荷待ち商品の場合は「在庫がなくても販売を続ける」を有効化します。ただし必ずメモ欄や商品説明に「現在受注生産中・発送まで〇〇日」と記載してください。

在庫アラートの設定

Shopifyのデフォルト機能では、在庫数が設定した閾値以下になったときにメール通知を受け取れます。

設定方法:

  1. ◆管理画面「設定 → 通知」を開く
  2. ◆「低在庫」通知をオンにする
  3. ◆アラートを受け取るメールアドレスを設定

発注点と安全在庫の計算式:

指標計算式例
安全在庫日次販売数 × リードタイム × 安全係数(1.5)5個/日 × 7日 × 1.5 = 53個
発注点日次販売数 × リードタイム + 安全在庫5 × 7 + 53 = 88個
1回発注量EOQ(経済的発注量)= √(2×年間需要×発注費用/保管費用)実務的には1〜3ヶ月分

在庫アラートの閾値には「発注点」の値を設定します。アラートが届いたら即座に仕入れ先に発注することで、欠品なく運営できます。

⚠️ 人気商品の在庫切れは機会損失に直結します。Shopifyの在庫レポート(管理画面「分析 → レポート → 在庫」)を週1回確認し、特に「ABC分析」で売上上位20%の商品(A品目)は常に安全在庫を保つ在庫管理を徹底してください。


STEP4: 返品・返金対応

日本のEC法規制と返品ポリシー

特定商取引法では、通信販売にクーリングオフ制度はありませんが、返品の可否や条件(返品特約)を表示していない場合は「商品を受け取ってから8日以内であれば送料顧客負担で返品が可能」と定められています。ただし、返品ポリシー(返品特約)を明確に表示し、内容を充実させることで顧客満足度と信頼が向上します。

推奨返品ポリシー例:

  • ◆返品期限: 商品到着後14日以内
  • ◆条件: 未使用・未開封・タグ付き状態
  • ◆送料: 商品不良の場合は当社負担、サイズ違い等の場合は顧客負担
  • ◆返金方法: 受取から3営業日以内に元の支払い方法へ返金

Shopifyでの返品処理手順

  1. ◆管理画面「注文 → 対象注文」を開く
  2. ◆「返品」ボタンをクリック
  3. ◆返品する商品と数量を選択
  4. ◆返送先の確認(「着払いラベルを送信」も選択可)
  5. ◆「返品を作成」をクリック(顧客に返品手順メールが自動送信)
  6. ◆返品商品の到着後に「返金」処理を実行

返金の種類:

返金方法使い分け
元の支払い方法へ返金通常の返品処理。クレカへの返金は3〜5営業日かかる
ストアクレジット(ギフトカード)顧客にリピート購入を促したい場合
手動返金銀行振込等、Shopify外で返金する場合

💡 返品・返金対応はブランドの印象を左右します。「迅速・丁寧・明確」な対応をした顧客は、問題がなかった顧客よりもリピート率が高くなるというデータがあります(Service Recovery Paradox)。返品対応のテンプレートメールをShopifyの通知設定に用意しておくと、対応品質が均一化されます。


3PL(外部フルフィルメント)との連携

注文件数が1日50件を超えてきたら、3PL(サードパーティロジスティクス)への委託を検討してください。

3PLのメリット・デメリット

項目自社出荷3PL委託
固定費倉庫・人件費が大きい変動費型(出荷件数に応じて課金)
スケール件数増加に対応しにくい急激な増加にも対応可能
品質管理自分でコントロール可能委託先依存
初期費用設備投資が必要初期費用低い
Shopify連携手動またはアプリ連携API連携で自動化

主要3PLとShopifyの連携方法

Shopify App Storeには主要3PLとの連携アプリが提供されています。注文が入ると自動で3PLシステムに転送され、出荷完了後に追跡番号が自動でShopifyに反映されます。

日本主要3PL例:

  • ◆オープンロジ: Shopify公式連携アプリあり。中小ECに最適
  • ◆Logiless: WMS機能も含む統合型。ShopifyとAPI連携
  • ◆ヤマト運輸フルフィルメント: ヤマト配送ネットワーク活用

⚠️ 3PL委託後も在庫の実数確認は定期的に行ってください。3PL側の在庫ミスは発生します。月1回はShopifyの在庫数と3PLシステムの在庫数を突き合わせる棚卸し作業を必ず実施してください。


在庫・注文の主要KPIと改善サイクル

KPI目標値計算式
欠品率5%以下欠品SKU数 ÷ 全SKU数
返品率カテゴリ平均以下返品件数 ÷ 出荷件数
注文処理時間24時間以内注文受付〜発送完了の平均時間
在庫回転率年12回以上売上原価 ÷ 平均在庫金額
顧客満足度(配送)4.5以上/5レビューの配送評価平均

🏋️実践ワーク

  1. ◆Shopify管理画面で既存の注文を1件開き、注文詳細画面の各セクション(リスク分析・フルフィルメント・支払いステータス)を確認して内容を把握してください。
  2. ◆「設定 → 通知」でスタッフ向けの低在庫アラートを設定してください。アラートを受け取るメールアドレスと閾値を設定します。
  3. ◆主力商品1SKUについて「日次販売数・仕入れリードタイム」を確認し、安全在庫と発注点を計算式を使って算出してください。
  4. ◆テスト注文に対して返品フローを実行してください(管理画面 → 注文 → 返品)。顧客への返品案内メールが自動送信されることを確認します。
  5. ◆Shopifyの「分析 → レポート → 在庫」でABC分析を確認し、A品目(売上上位20%)のSKUをリストアップしてください。

📝まとめ

注文処理は「受付 → フルフィルメント → 在庫管理 → 返品対応」の4ステップで構成されます。注文受付時は不正注文リスクを確認し、フルフィルメントでは追跡番号の即時登録が顧客満足度に直結します。在庫管理は安全在庫と発注点を計算して閾値アラートを設定し、欠品率5%以下を目標にします。返品は迅速・丁寧な対応がリピート率向上につながります。1日50件超えを目処に3PL連携を検討し、Shopify連携アプリで注文処理を自動化することで業務効率と精度が飛躍的に向上します。次のレッスンではいよいよストアの公開前チェックリストとローンチ施策を解説します。

理解度チェック

3問

全問正解でこのレッスンが「完了」になり、コースの全レッスンを完了すると修了証が発行されます。解説つき・何度でも挑戦できます。

  1. Q1.日次販売数4個、リードタイム10日、安全係数1.5のとき、本文の計算式で求めた発注点はどれですか?

  2. Q2.リスク分析で「高」と表示された高額注文が入りました。本文に沿った対応として適切なものはどれですか?

  3. Q3.出荷を3PLに委託した後の在庫管理として、本文に沿うものはどれですか?

すべての問題に答えると押せます

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