MidjourneyやDALL-E 3はクラウドサービスですが、Stable Diffusionはローカル環境で動かすことで無制限・無課金・高カスタマイズが実現できます。自分のPCで動かすことへの壁を感じる方も多いですが、手順は確立されており、適切なスペックのPCがあれば1〜2時間で環境構築できます。このレッスンでは、WindowsとMacへのインストール手順、AUTOMATIC1111とComfyUIの選び方、そして適切なモデルの選択まで一気通貫で解説します。
Stable Diffusion ローカル環境セットアップ全体像
Stable Diffusionのローカル実行で最重要なのはGPU(グラフィックスカード)のVRAM容量です。CPUやRAMより先にGPUを確認してください。
| スペック | 最低動作 | 推奨 | 快適使用 |
|---|---|---|---|
| GPU VRAM | 4GB | 8GB | 12GB以上 |
| GPU | GTX 1060 / RX 580 | RTX 3060 / RX 6700 XT | RTX 4070以上 |
| RAM | 8GB | 16GB | 32GB |
| ストレージ | SSD 20GB空き | SSD 50GB空き | SSD 100GB以上 |
| OS | Windows 10 | Windows 11 / macOS 12+ | 同左 |
⚠️ MacユーザーはApple Siliconを確認: M1/M2/M3チップのMacはCUDAが使えませんが、Metal(MPS)バックエンドで動作します。VRAM相当はユニファイドメモリが代替します。M2 MacBook Pro(16GBメモリ)以上あれば快適に使えます。
Stable DiffusionはPythonで動作します。インストール前に以下を準備します。
Step 1: Python 3.10.x のインストール
1. python.org から Python 3.10.9 をダウンロード
2. インストーラー実行時に「Add Python to PATH」に必ずチェック
3. インストール後、コマンドプロンプトで確認:
python --version → Python 3.10.9 と表示されればOK
⚠️ バージョン注意: Python 3.11以上や3.9以下では依存ライブラリが動作しない場合があります。必ず3.10.x系をインストールしてください。
Step 2: Git のインストール
1. git-scm.com からGitをダウンロード・インストール
2. コマンドプロンプトで確認: git --version
Step 3: NVIDIAドライバの最新化(NVIDIAユーザーのみ)
nvidia.com/Download/index.aspx からドライバを更新
デバイスマネージャーでGPUが正常認識されているか確認
1. Homebrew をインストール(未導入の場合):
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
2. Python 3.10 をインストール:
brew install python@3.10
3. 確認: python3.10 --version
AUTOMATIC1111(stable-diffusion-webui)は最も普及しているUIで、フォームベースで直感的に操作できます。
# Step 1: リポジトリをクローン
git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git
cd stable-diffusion-webui
# Step 2: モデルファイルを配置
# models/Stable-diffusion/ フォルダに .safetensors ファイルを置く
# (後述のCivitaiからダウンロードしたモデル)
# Step 3: 初回起動(自動で依存関係をインストール)
webui-user.bat をダブルクリック
# Step 4: ブラウザで開く
http://127.0.0.1:7860
git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git
cd stable-diffusion-webui
# models/Stable-diffusion/ にモデルを配置
./webui.sh
# ブラウザで http://127.0.0.1:7860 を開く
初回起動時は依存ライブラリ(PyTorch・transformers等)を自動ダウンロードするため、インターネット接続が必要で、20〜40分かかる場合があります。コマンドプロンプトに Running on local URL: http://127.0.0.1:7860 が表示されたらブラウザでアクセスできます。
💡 起動オプションの追加:
webui-user.batを右クリック→編集で開き、COMMANDLINE_ARGS=の後に以下を追加すると快適になります。
- ◆
--xformers: VRAM節約・高速化(NVIDIAのみ)- ◆
--medvram: VRAM 6GB以下の場合に指定- ◆
--lowvram: VRAM 4GB以下の場合に指定
ComfyUIはノードベースのビジュアルプログラミングUIです。処理フローを視覚的に組めるため、複雑なワークフロー(複数LoRA・アップスケール・ControlNet連携)に強みがあります。
git clone https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI.git
cd ComfyUI
# 依存ライブラリインストール
pip install -r requirements.txt
# モデルを配置
# models/checkpoints/ に .safetensors ファイルを置く
# 起動
python main.py
# ブラウザで http://127.0.0.1:8188
| 観点 | AUTOMATIC1111 | ComfyUI |
|---|---|---|
| 学習コスト | 低い(フォームUI) | 高い(ノードUI) |
| 速度 | 標準 | 高速(処理効率が良い) |
| VRAM効率 | 普通 | 高効率 |
| 拡張機能 | 豊富 | 増加中 |
| ワークフロー共有 | スクリプト | JSONファイルで完全再現可能 |
| 推奨ユーザー | 初心者・中級者 | 中級者以上・エンジニア |
Stable Diffusionの出力品質はモデル選択で大きく変わります。主なモデル配布サイトはCivitaiとHugging Faceです。
| カテゴリ | 代表モデル | 特徴 |
|---|---|---|
| 汎用リアル | Realistic Vision, LEOSAM | 写真品質の人物・風景 |
| アニメ・イラスト | Anything V5, CounterfeitXL | 高品質なアニメ表現 |
| フラットデザイン | Flat-2D Animerge | アイコン・UI向け |
| 油絵・絵画 | DreamShaper | 芸術的絵画風 |
| 汎用基盤 | SDXL 1.0(公式) | 最高解像度・高品質 |
1. Civitai.com にアクセス(NSFWフィルタをONに)
2. 目的のスタイルでモデルを検索
3. 「.safetensors」形式(推奨)か「.ckpt」形式をダウンロード
4. 配置先(AUTOMATIC1111の場合):
stable-diffusion-webui/models/Stable-diffusion/
5. WebUIをリロードしてモデルドロップダウンから選択
⚠️ ファイルサイズの注意: 標準モデルは2〜7GB、SDXL系は6〜10GB程度あります。ダウンロード前にストレージ残量を確認してください。
| ファイル種別 | 役割 | 配置フォルダ |
|---|---|---|
| Checkpoint(.safetensors) | メインモデル | models/Stable-diffusion/ |
| LoRA(.safetensors) | スタイル追加学習 | models/Lora/ |
| VAE(.pt/.safetensors) | 色味・鮮明度調整 | models/VAE/ |
| Embedding(.pt/.bin) | ネガティブプロンプト圧縮 | embeddings/ |
| ControlNet | 構図・ポーズ制御 | extensions/sd-webui-controlnet/models/ |
webui-user.bat(またはwebui.sh)に自分のVRAMに合ったオプション(--xformers, --medvram等)を追記して起動速度を改善するStable Diffusionのローカル環境構築は、手順通りに進めれば確実に動作します。最大のポイントはPython 3.10.xの使用とGPUのVRAM確認です。AUTOMATIC1111は初心者に最適なUI、ComfyUIは高度な自動化に対応するUIです。モデルはCivitaiで目的に合ったものを選び、LoRAやVAEを組み合わせることで表現の幅が無限に広がります。ローカル環境が構築できれば、クラウドサービスの制約なしに自分だけの画像生成ワークフローを構築できます。
全問正解でこのレッスンが「完了」になり、コースの全レッスンを完了すると修了証が発行されます。解説つき・何度でも挑戦できます。
Q1.Stable Diffusionを自分のPCで動かせるか調べます。本文が「CPUやRAMより先に確認を」としているものはどれですか。
Q2.初心者と、複数のLoRAやControlNetを組み合わせた複雑な処理を組みたい人がいます。本文に沿ったUIの選び方はどれですか。
Q3.AUTOMATIC1111を初めて起動したら、長い時間ダウンロード処理が続いています。本文に沿った理解と対応はどれですか。
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